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出雲盛衰記04
 出雲盛衰記
 四章



 忌瀬と音羽と別れ、二人から離れるように山道をひた走る九峪。
 既に夕暮れ近く、山間では大分暗くなってきている。
 完全に闇が覆い尽くし、月が辺りを照らす頃には月に一度の最悪の夜が始まる。

「そろそろ、いいか」

 呟いて周囲を見回す。
 樹齢数千年ものの大木が林立し、地面まで日が当たらないせいか下草が少なく、そのおかげで動きやすい。もう少し開けた場所の方が理想的だが、地面が比較的平らなぶんだけマシだと考えた方が良さそうだった。

「今日は何が来るかな~」

 不安そうに周囲を見回している九峪は、それでも何処か楽しそうですらある。

 パキ、キ

 小枝が折れる音。
 聞き逃すわけもなく、音の方に首を向ける。

「そっか、そう言えば阿祖と言えばお前等だよな」

 九峪はげんなりしたように呟いた。
 視線の先には恐ろしくきわどい衣装を身につけた、爆乳ウサ耳女がいる。金色の髪が、かすかに揺れる。

「久しぶりだね、九峪」
「……おう、久しぶりだな、兔音」
 九峪は及び腰になりながらも答える。
 兔音はウサ耳をピクピクと動かすと、ニヤリと笑う。
「天目はいないみたいだね」
「……まあな。そっちは?兎奈美と兔華乃はどうした?」
「あら?私だけじゃ物足りないのかしら?」

 婉然と微笑む兔音。
「むしろ見るだけで吐き気がするほどお腹いっぱいなんだが……不自然だろ?」
「ふふ、姉様と兎奈美は復興軍を見物に行ったわ。だから、ここには私一人……」

 九峪はため息をつく。
「一人でも、魔人は魔人だしなぁ……」
 負担が半分以下になったのは事実だが、それでも相手は魔界ですら畏れられている種族、魔兔族の女だ。今の状態で出くわす相手としたら、最悪から数えて三番目くらい嫌な相手だ。

「迂闊だったなぁ、俺も。阿祖と聞いた時点で逃げてるべきだった」
 考えようによっては、天目と一緒に復興軍に行かなかったことで、兎奈美と兔華乃の二人を相手にすることもなくすんだとも言えるが。

 唐突だが説明しよう!九峪はとある出来事で、時間を停止させる能力を得たのだが、その副作用として満月の晩に、身体から妙なフェロモンを出すようになってしまい、近くにいる魔なるものを呼び寄せてしまう至極危険な男になってしまったのだ!!

「さて、もういい加減こっちは我慢の限界だ。イクよ」
 上気した顔で言い放つと、九峪の視界から消える。
 九峪は消えたと判断したと同時に、時を止める。

 鼻先に突き付けられた半円状の妙な武器。
 止めるのが刹那遅ければ、九峪の頭が半分になっているところだった。
 九峪は兔音の顔の前に足下に落ちていた石を置き。背後の回り込む。

「時は動き出す」
 ごっ

 兔音は自分が飛び込んだ瞬間にいきなり目の前に現れた石をかわせるはずもなく、もろに食らって体勢が揺らぐ。
 それでも何事も無かったかのように立ち止まると、額を抑えて不思議そうにしている。
 九峪はその様子を見てあきれかえる。
 兔音はかすり傷一つ負っていない。

「相変わらずワケの分からん技を使うな、お前は」
「残念だが、教えてはやれないぜ」
「別に―――」

「時は止まる」
 兔音の言葉の途中で止めると、止まっている時間の間に荷物の中から、怪しげな小瓶を取り出す。
「時は動き出す」
「――興味は、ない」

 兔音には九峪が一瞬で微妙に動いたことに眉根を寄せる。
「何か、したのか?」
「興味ないんじゃ無かったのか?」
「……そうだな」
 
 また兔音の姿が視界から消える。
 真っ昼間なら残像くらいは見えるかも知れないが、こう暗くては視認するのは不可能に近い。
 九峪はまた時を止めた。

「ん?」
 また直ぐ近くにいると思った九峪だったが、何処にも兔音が見あたらない。
 焦って視線を巡らすが、何処にもいないようだ。
 ―――どこ行きやがった!

 九峪の時間停止の能力は一度に三秒だけ。
 連続使用は出来ないので、一度使ったら三秒は休まなくてはならない。
 一度使ったら、上級の魔人相手に三秒間という永遠とも言える時間を稼がなくてはならないのだ。

 九峪はその場に留まるのは危険だと判断して、取り敢えず動く。
 同時に時が動き出し、九峪のいた場所に兔音が降ってくる。
「う、上からかよっ!!」
 わりと単純な事だったらしいが、兔音はまたはずしたことを不思議そうに一瞬だけ九峪を見た。
 そう、一瞬だけ……

 兔音の姿また消える。

 九峪の横を、風が一陣通り過ぎた。

 そして離れた場所に兔音が姿を現す。
 その手に持つ刃は朱に濡れ、兔音はうっとりとその血を嘗める。

 ドサ



 九峪の首が地面に落ちた。
 







 
追記:
 アーハハハハッ!!遂にやってやったぜ、九峪抹殺!!これにて出雲盛衰記完!!……と言いたいところですが、多分続きます。
 さて、首を落とされた九峪はどうでもよろしいが、今回誰かの要望によってウサギ登場となりました。九峪のフェロモン設定は幻聴記と似たようなもんですが、原因となるものが少しだけ違います。ついでに徹底しています。だから例えば○蝎とか、土羅○琉とかにも効果ありです。既に何処かで出くわしているかも知れませんね。
 しかし、何処で終わらそうかなコレ。片手間の更に片手間で書いてるようなもんなので、あんまり話の浮き沈みとかつけられないしなぁ。


 さて、昨日の追記で書いたら一人だけ律儀に答えてくれたので、早速天目様の短編をキリリクのとこにupしときました。ちなみにこんなの……

22:35 「お姉様天目、ヘタレ九峪を誘惑」読みたいです。upまってます。


 upしたのが零時丁度くらいだから、僅か一時間半で上げたことに。って、丁度見直ししてた所だから都合が良かっただけなんですが。隠そうと思ってたけど、読み返したらさほどのえろでも無いような気がしたのでそのまま上げときました。まあ、えろには違いないですけど。
 リクエストを下さった逃亡者さんと、律儀に作者の言葉に反応して下さった誰かさん、ありがとうございました。


 全く話は変わりますが、時々作者には神が降臨してきて、一週間で十四話とか書けるときもあるんですが(と言うか、幻聴記の二十章くらいまではそんな感じ)、最近降臨してくれませんね。神様カモーン!!
 と、訳の分からない事を喚いて、本日もお別れです。ヾ( ̄◇ ̄)ノ)) バイバイ
【2006/02/09 00:20】 | 小説 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
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コメント
ウサギ娘に出番を与えて下さった神に千の感謝を。
しかし、ウサギ娘の中でも逃亡者的ナンバーワンを出すとは……ココの小説だけでオナカいっぱいですよ、私は?
九峪はエライ事になってますが彼女にヤられるのならむしろ本望!!
いや、これで打ち切られたらトラウマ負うくらいショックですけどね(笑

話は変わりますが『天目』拝読致しました。キリリクUP感謝です。
やはりお姉さまキャラは誘惑イベントでその真価を発揮しますね。
余裕たっぷりにリードする感じが堪らんと思うのですよ私は。
しかもそこはかとなくツンデレの匂いが……

ちなみ「ゲーム版天目」は滅ぼされた王族と母の無念を晴らす事を本懐とする、派手なお嬢様みたいな感じでした。
「オーホッホホー」とか笑いそうな感じで一人称は「わたくし」 九峪の事は様付け。 
復興軍に寝返った理由は句根国で地味なカッコさせられたから(笑
キャラの設定はそれぞれのメディアによって違います。
その最たるモノは帖佐で、アニメではヘタレ天空人。ゲームでは赤ん坊の只見をしばらく育てたとか……

ではこの辺で失礼します。
【2006/02/09 13:26】 URL | 逃亡者 #-[ 編集] | page top↑
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