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出雲盛衰記05
 出雲盛衰記
 五章



 ドサ



 九峪の首が地面に落ちた。

 兔音は喜び勇んで九峪の首に駆け寄ると、生首を持ち上げて眺める。
「フフ、いいザマだな九峪」
「……やはり今回も無理か……」
 九峪は生首のまま諦めたように口を動かした。
 当然肺と繋がっていないので、声は出なかったが。

 生首で平気で生きている(?)九峪。
 兔音はそのことは既知のようで特に気にした様子もなく、切断面を嘗める。血が抜けて土気色の九峪が不快そうに顔を歪めた。

「そんなに美味いか?吸血族でもないくせに」
「お前の血は特別だ。特に満月の夜はな」
「変態め。っていうか、首なんか切るから、あっちの方が漏れまくってるけど?」

 九峪がそう言って視線を自分の身体の方へ向ける。
 首の断面から血は勢いよく噴き出し、地面を濡らしている。
「そうだな。勿体ない」
 兔音は九峪の頭を放り投げると、九峪の身体を持ち上げて、頭から血を浴びる。
 うっとりと瞳を細めて、身体を流れ落ちる感触を楽しんでいる。

「もっと、丁寧に扱えっつーに」
 九峪は口に入った土をはき出しながら、首だけで動けないのでそのまま転がっている。
 九峪からは兔音の方で何をやっているか見えないが、九峪自身は見たくもなかった。

「ん、九峪少しお腹に肉が付いたか?」
「ついてねぇっ!」
「いや、コレは間違いなく。むしゃむしゃ。うむ。前喰ったときより油がのっていて美味いな」
「そんな感想本人に聞かせるな」

 カニバリズムな状況。
 九峪の身体を遠慮無く咀嚼している音だけが、長々と響いた。



 一時間後―――


「もう、食べられないわ」
 それは満腹だからという意味ではなく、単純に食べる場所が無くなってしまったと言うことだ。
 九峪は兔音に自分の身体の残骸を見せられて大きくため息をつく。
「……いい食べっぷりで」
 身体は骨以外のほぼ全てが食い尽くされていた。
 かれこれ自分の骨を見るのも何度目になるだろうか。

「たまには頭も食べてみるか」
「止めておけ。腹壊すぞ、食い過ぎると」
「ふん、まあ二度と食べられなくなっては勿体ないしな」
「つーか喰うなよ」
「別にいいだろう?死ぬわけでもないし」
「いっそ死にたい……」

 兔音は苦笑すると九峪の頭を自分の豊かな胸に埋める。
「今日はそこで寝るといい女の胸は好きだろう?」
「くそ、手も足も出ないと思って」
「文字通り無いからな」

 兔音は九峪を胸に埋めたまま木の根本に腰を下ろすと、満足げな顔でそっと瞳を閉じた。



 まぶしい光を浴びて兔音が目を覚ますと、九峪はいつの間にか起きていて、少し離れて兔音の事をじっと見ていた。
 いつの間にか手足も生えている。
 昨日兔音が丁寧に脱がした服を着ているが自分の血でかぴかぴしている。着心地は悪そうだった。

「おはよう。しかしいつもどうやって戻っているのか見れたことがないな」
 そう言って微笑む兔音。
「見ない方が身のためだ」
 むろん俺の、と九峪。
 兔音はその言葉に笑みを深める。

「九峪、お前に頼みたいことがあるんだが」
「ああ?なんだよ、唐突に」
 兔音は何処に持っていたのか、しなびた根っこのようなものを取り出す。九峪は見覚えがあったので直ぐに答えた。
「高麗人参か。随分小振りだな」
「ああ、ここ二年ほど不作でな。お前に見て貰いたい」

 九峪はやれやれと重い腰を上げる。
「そう言うこと頼む相手を、楽しそうに喰うなよな」
「それとコレとは話が別だ」
 兔音は飄々とそう言って取り合わない。
「全く……。まあいいか。兔華乃も兎奈美もいないんだろ?」
「ああ、戻ってなければな」
「じゃあ、ちっと邪魔するか」

 九峪が荷物を担いで歩き出そうとすると、兔音の姿が見えない。
「? 兔音?」
「こっちだ」
 声の方へ歩いていくと、服を脱いだ兔音が挑戦的な笑みを九峪に向けている。

「……」
「どうした?今は手も足もあるだろ?」
「天目には内緒だぞ」
「無論だ」

 九峪は一切の躊躇なく、兔音に飛びかかって行った。
 兔音は危なげなく九峪の事を受け止め、喜色を浮かべたままゆっくりと地面に身を横たえた。








追記:
 ええ~、浮気二人目、二人目でございま~す。
 不死身の九峪君。生首になろうが身体を喰われようがへっちゃらです。なんだよその設定とか怒らないで。特にギリギリの緊張感とか作者は求めてませんから。少なくともこの作品に関しては。と言うことでこのままぬる~い流れで行きます。
 とは言え不死身で無敵じゃつまらないから、不死身だけど微妙に弱いと言う辺りに止めておきました。まあ、いつものことです。本当に無敵なのは徒然九峪だけで十分です。無敵だったらそのまま都督落とせばいいじゃんってなるので、その言い訳みたいなもんですね。
 つーか、短いな、今回も。


 ではアトガキはこの辺にして、昨日来たweb拍手の話でもしようか。

 19:58 編年期楽しみにしてます。十七夜編の方が実は好きです

 だってさ。好きになってくれるのは何よりですね。ただ、第二部からは裏も表も混じっちゃうのでそう言う分け方は無くなります。正確に言うと混ざらないんだけど、ほら、何せ勢力の数が多すぎて委員長と十七夜がいない場所を書くとき一々挿話とかにするとアレだから。
 まあ、十七夜に関する大いなる謎(?)なんかも割と早々暴露するので、待っててね~。今月中には分かるから。それと共に出番が減るかも知れないけど……。

 あとは、逃亡者さんがまたコメントくれてましたね。


□ 兎音キタ―━―━(゚∀゚)━―━―!!
ウサギ娘に出番を与えて下さった神に千の感謝を。
しかし、ウサギ娘の中でも逃亡者的ナンバーワンを出すとは……ココの小説だけでオナカいっぱいですよ、私は?
九峪はエライ事になってますが彼女にヤられるのならむしろ本望!!
いや、これで打ち切られたらトラウマ負うくらいショックですけどね(笑

話は変わりますが『天目』拝読致しました。キリリクUP感謝です。
やはりお姉さまキャラは誘惑イベントでその真価を発揮しますね。
余裕たっぷりにリードする感じが堪らんと思うのですよ私は。
しかもそこはかとなくツンデレの匂いが……

ちなみ「ゲーム版天目」は滅ぼされた王族と母の無念を晴らす事を本懐とする、派手なお嬢様みたいな感じでした。
「オーホッホホー」とか笑いそうな感じで一人称は「わたくし」 九峪の事は様付け。 
復興軍に寝返った理由は句根国で地味なカッコさせられたから(笑
キャラの設定はそれぞれのメディアによって違います。
その最たるモノは帖佐で、アニメではヘタレ天空人。ゲームでは赤ん坊の只見をしばらく育てたとか……

ではこの辺で失礼します。


 毎度律儀にありがとうございます。
 まず出雲盛衰記はいつまで続くやら、作者にも皆目見当はつかないですね。まあ、九峪死亡でバッドエンドは今回の話で消えましたが。逃亡者さんには悪いですが、本サイトの連載に影響が出るようなときは容赦なく打ち切るか、永久凍結の扱いになるでしょう。その時はご了承下さい。
 キリリクの天目については、相変わらず中途半端なもんですみません。もう少し描写を細かくすることも出来たんですが、色々とやばそうなので妥協しました。チキンな作者を許して下さい。
 しかし何より天目についての情報ありがとうございます。お嬢様だったんですね。天目。わたくし……か。まあ、恋愛ゲームで小説版の天目はあり得ないでしょうが。帖佐はアニメじゃヘタレだったんですね。そう言えば漫画版じゃ九峪にオカマとか言われてる始末だし。哀れ帖佐。


 さて。では本日もこの辺でお暇したいとおもします。ヾ( ̄◇ ̄)ノ)) バイバイ
【2006/02/10 19:53】 | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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