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出雲盛衰記26
 出雲盛衰記
 二十六章



 ああ、悩ましい。
 本当に悩ましい。

 究極の選択を迫られ、九峪は今人生の岐路に立たされていた。

「こっちのみ~ずはあ~まいぞ♪」
「こっちのみ~ずはおいしいぞ♪」

 手招きしてニッコリと笑う少女二人。

 一人は着物の裾をこれでもかと言わんばかりに上げて太ももが露出している活発そうな女の子。
 もう一人はトップレスで長い髪が二房垂れて肝心な部分を隠している色っぽさが漂う女の子。

 共通しているのは二人とも褐色の肌をしていて、一見して九洲の民ではないと言うことだ。

「くっそ~、悩むなぁ~。寝太郎もどうせなら優待券何枚もくれれば沢山楽しめるのに」
 悔しそうに呟く九峪。

 九峪は寝太郎からとある遊郭の優待券を貰ってその場所に足を運んでいた。

『復興軍の裏の顔が知りたいなら言ってみる事ね。うふふ』

 寝太郎の怪しい笑顔に騙されたわけでもないが、一応足を運んでみれば出迎えてくれたのは美少女二人だった。

 ここは当麻の街の近く。
 復興軍が南と海からの抑えに構築された砦だ。

 砦……と言うのは名目上。現在では南火向は復興軍のものになっているので基本的に外敵がいない。護る意味が存在しない小さな砦だ。
 誰にも使われなくなったその場所を、復興軍が遊郭として運営しているらしいが、それにしてもいかにも不自然だった。

 娼婦というのは歴史上最も古い職業の一つと言われているが、それを管理して運営する遊郭というものの派生は意外と遅い。基本的には旅籠が兼業するというのが始めだったわけだが、宿という商売が成立しない三世紀の九洲――基本的に旅人は野宿――では、個人的に売るものはいても経営という概念がそもそも存在していない。

 そして場所も問題だ。まだ人が多い狗根国の首都である山都や、人の出入りの激しい那の津などでやるなら分かるが、ド田舎の火向で商売になるわけもない……。そう、思っていたのだが……。

「鰺南ちゃ~ん、今日もかわいいね~」
「あら~、おじさんまた来てくれたのぉ。鰺南うれしいですぅ~」
「鮃ちゃん指名入りました~!」
「うう、梶木ちゃんは先に取られてるのか~。じゃあ、今日は吾鯛ちゃんで……」
「また来てね~、待ってるよ~」
「ああ、入りたいけど……どうしよ……。かかあに怒られるし、でも」

 砦の前には結構な数の男の姿がある。
 めちゃくちゃ繁盛しているようだ。
「何故に?」
 九峪は首を捻る。
「ねぇ、おじさん。さっきから突っ立てどうしたの? うふふ、ぱぁ~っとやりましょうよぉ」
 トップレスの女の子がそう言って九峪の腕に絡みついてくる。
「えぇ~、私と遊びましょ。なんでもしてあげるよ~」

 九峪は頭痛がするのか頭を抑える。
「まぁ、いいか」

 ――虎穴にいらずんば虎児を得ずって言うしな。

 とか言いつつ顔がにやけている九峪だった。

 だが問題はまだ片づいていない。優待券は一枚だけ。相手してもらえる女の子は一人だけなのだ。

「あれ? なにか持ってるんですか?」
「あ、ああ、こんなもんもらってな」
 九峪が優待券をひらひらと二人の前にちらつかせると、一瞬で目の色が変わった。

「きゃ~っ! おじさま是非私と一緒に! もう何だってしてあげますよ! なんなら三日三晩でも一月でも!」
「蜆(しじみ)ずるい! 私だって口だろうがお尻だろうが、幾らでもいいですよ! 是非私と」
「引っ込んでてよ鱸(すずき)! このおじさまは私にめろめろなのよ、既に!」
「そんなことないですよねぇ~。露出狂のアホ女より、かわいい鱸ちゃんですよね~」
「お前の方が頭軽いだろ、変な格好しやがって。似合ってねぇんだよ!」
「何が変な格好よ! 裸見せて感じてる変態に言われたくないわ! 大体かわいいって評判なんだから!」
「頭の弱いお前に気ぃ使ってんだよ! 気づけそれくらい!」
「き~~~っ!」
「ふが~~~っ!」

 店の前で何故か泥レスが始まる。
 九峪はどうしたものかとため息を吐いて、二人の諍いを見ていた。

「おじさん……こっち」
 九峪が振り返ると、まだ幼いとも言える少女が手招きしていた。
「ん?」
 少女はしなを作ったポーズを取って、ウインクし見せる。どうやら従業員の一人のようだ。

 九峪はもう少し泥レスを見ていたい気分だったが、まぁそれもいいかと少女の後に付いていくことにした。



 少女は若布と名乗った。
 ここで身体を売っている少女達は、全員寝太郎の部下なのだという。
「ふ~ん。で、これはただの優待券じゃないのか?」
 若布は九峪の服を脱がせて、丁寧に畳む。
 通された砦の中の個室は、甘ったるい香が焚かれていていかにもな雰囲気が醸し出されている。
「その券を持っている方をもてなすと、後でご褒美がもらえるんです。だから蜆と鱸が……」
「な~る。でも、あれだけの熱の入れようだと、かなりの報償なんだろうな」

 若布は頷くと今度は自分の服に手を掛ける。
「私たちは元々は寝太郎様の部下ではなく、竜宮の乙姫に使える巫女なのですが、その券一枚もらえるごとに階位が上がるんです。三枚そろえばこんな仕事しなくても良くなるし」
「へぇ~、なるほど」
「九峪さんは……、寝太郎様とはどんな関係ですか?」
 興味深そうに九峪を見上げる若布。

 あまり出ていない胸を九峪の厚い胸板にこすりつける。
「ん、いつもは……、復興軍に支援してくれる富豪だったり、強い力を持つ豪族だったりするのに」
 九峪さんは違う感じがする、と若布。

「いや、ただ若い子紹介してやっただけだ」
 九峪は悪びれなくそう言う。
 若布は一瞬面食らったような顔をしたが、直ぐに微笑む。
「酷い人……。寝太郎様が気に入るのはまだ何も知らないような年頃の男の子なのに」
「若布もそれほど知っているようには見えないけどな」

 九峪はそう言って若布を押し倒す。
「……まだ、慣れてないから」
 若布はそう言って顔を背ける。
「俺は慣れてるから気にするな。じっくり教えてやるよ……」
 にやにや笑って九峪は若い身体に手を這わせた。


 九峪と若布が楽しんでいる個室の扉が、二人が気が付かないほどゆっくりと、僅かだけ開く。

 扉の隙間からそっと白い手が伸び、香が焚かれた器が床に置かれる。
 甘ったるい臭いが部屋をさらに満たす。

 二人は、虚ろになっていく意識の中、さらなる快楽に沈んでいった。











追記:
 次週更新の予定でしたが、頑張って更新してみました。短いけど。今度はホントに来週。下手したら再来週です。
 さて、九峪が大人の遊び場に訪れる、の回でした。かなり適当なこと書いてますので、突っ込みどころはいっぱいある気もするけど、めい一杯見ないふりをします。で、何時の間に貰ったのか優待券を得て、喜色満面で少女とにゃんにゃん(死語)しています。竜宮七人娘は出番が無いのがかわいそうなので相変わらず微妙な役回りで登場です。七人については若布が若いという以上の認識が作者にないのでこれまたかなり適当ですが。名前思い出した順番に書きましたので、九峪を仕留めたのが若布なのは存在感が一番無いということなのかも? 一人だけ海草ですからね。せめて魚にしてやれと。あ、蜆も一人だけ貝か……。ま、どうでもいいや。
 所で復興軍の裏の顔はどうなったんだろう? なんも考えてない作者でした。今度考えときますね……ハハハ


 さて、それではweb拍手のお返事コーナーへ。
 昨日はお一人様で四件ですね。

20:46 うふふ ストーカーでございます。
20:48 毎日楽しみにして、覗きに来て魔~す。
20:49 では、
20:49 面
 と、頂きました。
 ……ストーカーがまたキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! って、認めるんですか……。条例違反なので気を付けて下さいね。まぁ作者にストーキングする分には大丈夫ですけど。毎日楽しみにして下さると言うことで、むしろストーカー奨励条項でも作ろうか。まぁ数日は更新されないので、毎日来ても無駄足な日々がこれから続きますが。ごめんして(テヘ
 またのご来店をお待ちしております。(最後の面は何だろう? 打ち間違いかな……?)

 では、本日はこの辺でヾ( ̄◇ ̄)ノ)) バイバイ
【2006/03/25 17:26】 | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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